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「上限100万円」でも100万円は出ない。助成率で決まります

調査対象:政令指定都市20市+中核市62市+東京都特別区23区(計105自治体・悉皆) / 確認日:2026-09-01 / 当サイトの独自調査

自治体の助成額は「工事費 × 助成率」で決まり、上限額はその天井にすぎません。そして助成率は、所得や課税の段階で変わります。105自治体のうち助成率を公式サイトに明記していたのは35自治体、 そのうち16自治体は段階で率が変わると書いていました。上限額だけ見て見積もりを立てると、実際より多く見込むことになります。

同じ50万円の工事で、受け取れる額が3倍変わる自治体があります

段階別の率を公表している16自治体について、工事費50万円のときに受け取れる額を、率と段階別限度額だけで機械的に計算しました。 上の段階(多くは生活保護世帯)と下の段階の差が大きい順です。

自治体段階上限額上の段階下の段階差
いわき市4段階50万円50万円16.6万円33.4万円
姫路市6段階100万円50万円16.6万円33.4万円
明石市6段階80万円50万円16.6万円33.4万円
福井市3段階80万円45万円12.5万円32.5万円
大阪市4段階30万円30万円0円30万円
広島市3段階60万円50万円20万円30万円
倉敷市5段階80万円50万円20万円30万円
柏市2段階36万円36万円16.6万円19.4万円
和歌山市2段階60万円50万円33.3万円16.7万円
新潟市3段階30万円30万円15万円15万円
熊本市4段階70万円40万円25万円15万円
江戸川区4段階200万円50万円35万円15万円
金沢市3段階100万円50万円35万円15万円
郡山市3段階18万円18万円8万円10万円
豊島区4段階37.9万円37.9万円35万円2.9万円
板橋区3段階20万円20万円20万円0円

いわき市・姫路市・明石市は、いずれも上の段階なら工事費の全額(50万円)が助成され、 下の段階では3分の1(約16.6万円)です。同じ市で、同じ工事で、3倍の差がつきます。 大阪市は介護保険料段階が第7段階以上だと対象外で、助成は0円になります。

逆に豊島区・板橋区は、工事費50万円だとどの段階でも限度額に届いてしまうため差が出ません。 率の差が効いてくるのは、工事費が限度額より小さいときです。 つまり工事費がいくらかによって、率の影響が出る自治体と出ない自治体が入れ替わります。

上限額どおりの工事をしても、上限額はもらえません

もうひとつの誤解がこれです。「上限80万円」の自治体で80万円の工事をしても、 受け取れるのは80万円ではありません。率をかけたあとの額です。

自治体上限額上限額の工事をしたとき、下の段階では差
姫路市100万円33.3万円66.7万円
江戸川区200万円140万円60万円
福井市80万円20万円60万円
明石市80万円26.6万円53.4万円
浜松市100万円50万円50万円
金沢市100万円50万円50万円
倉敷市80万円32万円48万円
広島市60万円24万円36万円
熊本市70万円35万円35万円
いわき市50万円16.6万円33.4万円
大阪市30万円0円30万円
柏市36万円12万円24万円

たとえば福井市は上限80万円ですが、所得区分がいちばん下(総所得から基礎控除を引いた額が600万円未満)だと 助成率は4分の1・限度額20万円です。上限額の4分の1です。 江戸川区は上限200万円で助成割合は7割〜10割なので、下の段階でも140万円が残ります。上限額の大きさと、実際の手厚さは別の話です。

助成率を公表していない自治体のほうが多い

制度があると確認できた72自治体のうち、助成率を公式サイトで確認できたのは35自治体でした。 残りは「限度額○○万円」だけを書いています。率が書かれていないことは、率がないことを意味しません。要綱や交付要領の側に率の表がある自治体が多く、サイトに転記されていないだけです。

窓口で聞くべきことは3つです。①「うちの世帯だと助成率は何割になりますか」 ②「率の判定に使う所得は、いつの年のものですか」(前年分か前々年分かで変わります) ③「判定の対象は本人ですか、世帯全員ですか、生計中心者ですか」。 この3つが決まらないと金額は出ません。「上限はいくらですか」だけ聞くと、実際より多い額を持ち帰ることになります。

段階別の助成率(16自治体)

公式サイトに記載されていた段階と率です。段階名は自治体の表記のままです。

新潟市 高齢者向け住宅リフォーム助成(上限30万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
生活保護世帯100%30万円30万円
所得税非課税世帯75%22.5万円22.5万円
所得税課税世帯50%15万円15万円

大阪市 高齢者住宅改修費給付事業(上限30万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
保険料段階 第1段階100%30万円30万円
保険料段階 第1〜4段階90%30万円30万円
保険料段階 第5〜6段階公表なし5万円―
保険料段階 第7段階以上対象外―対象外

広島市 高齢者等住宅改修費補助(上限60万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
生活保護世帯100%60万円50万円
非課税世帯60%60万円30万円
所得割9万円以下40%60万円20万円

熊本市 高齢者住宅改造費助成事業(要介護・要支援認定者に限る)(上限70万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
A 生活保護世帯100%40万円40万円
B 生計中心者が市民税非課税100%40万円40万円
C 市民税所得割22万円以下3分の2(約66.7%)40万円33.3万円
D 市民税所得割22万円超27万円以下50%40万円25万円

基準額は65歳以上の要介護認定者40万円/身体障害者手帳1・2級等は70万円

豊島区 高齢者自立支援住宅改修助成事業(上限37.9万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
生活保護受給100%37.9万円37.9万円
介護保険の自己負担1割90%37.9万円37.9万円
介護保険の自己負担2割80%37.9万円37.9万円
介護保険の自己負担3割70%37.9万円35万円

限度額は助成の種類で分かれる。予防的助成は20万円、設備改修助成は種目ごと(浴槽の改修37.9万円・流し等15.6万円・便器の洋式化10.6万円)

板橋区 板橋区高齢者住宅設備改修費助成事業(上限20万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
生活保護・中国残留邦人等支援給付世帯100%20万円20万円
世帯全員が住民税非課税90%20万円20万円
世帯に住民税課税所得者がいる70%20万円20万円

限度額は助成の種類で分かれる。介護予防住宅改修は対象種目の合計で10万円、住宅設備改修は浴槽の取替え20万円・流しまたは洗面台の取替え15万円

江戸川区 住まいの改造助成(上限200万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
生活保護受給100%200万円50万円
介護保険の自己負担1割90%200万円45万円
介護保険の自己負担2割80%200万円40万円
介護保険の自己負担3割70%200万円35万円

限度額は工事種別ごと。便器の洋式化10.6万円・浴槽の取替え37.9万円・流し及び洗面台の取替え15.6万円・段差解消機/階段昇降機/ホームエレベーターは各200万円

倉敷市 倉敷市高齢者等住宅改造補助金交付制度(上限80万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
生活保護世帯100%80万円50万円
所得税非課税世帯3分の2.5(約83.3%)80万円41.6万円
所得税年額20万円未満3分の2(約66.7%)80万円33.3万円
所得税年額20万円以上50万円未満50%80万円25万円
所得税年額50万円以上40%80万円20万円

郡山市 高齢者にやさしい住まいづくり助成事業(上限18万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
世帯全員が市民税非課税90%18万円18万円
本人非課税・世帯員課税50%10万円10万円
本人が市民税均等割のみ課税40%8万円8万円

いわき市 高齢者等住宅リフォーム(改良)事業(上限50万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
生活保護100%50万円50万円
市民税非課税75%50万円37.5万円
市民税均等割課税50%50万円25万円
市民税所得割課税3分の1(約33.3%)50万円16.6万円

柏市 柏市要介護高齢者等住宅改造費補助制度(上限36万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
非課税・均等割のみ課税世帯90%36万円36万円
市民税課税世帯3分の1(約33.3%)36万円16.6万円

金沢市 要介護高齢者等の生活自立のための住まいづくりに関する助成(上限100万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
生活保護世帯100%100万円50万円
非課税世帯90%70万円45万円
所得税5万円以下の世帯70%50万円35万円

福井市 住まい環境整備支援事業(ページ見出しは「住宅改修費の一部を助成します」)(上限80万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
生活保護・市民税非課税世帯90%80万円45万円
合計所得320万円未満50%40万円25万円
基礎控除後600万円未満25%20万円12.5万円

姫路市 姫路市高齢者等住宅改造費助成事業(上限100万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
生活保護世帯100%100万円50万円
市民税非課税世帯90%100万円45万円
市民税均等割課税世帯90%100万円45万円
市民税所得割・均等割課税世帯3分の2(約66.7%)100万円33.3万円
所得税課税(7万円以下)50%100万円25万円
所得税課税(7万円超)3分の1(約33.3%)100万円16.6万円

明石市 明石市高齢者等住宅改造費助成事業(上限80万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
A 生活保護世帯100%80万円50万円
B 生計中心者が市民税非課税90%72万円45万円
C 所得税非課税・市民税均等割のみ課税90%72万円45万円
D 所得税非課税・市民税所得割課税3分の2(約66.7%)53.3万円33.3万円
E 所得税7万円以下50%40万円25万円
F 所得税7万円超3分の1(約33.3%)26.6万円16.6万円

和歌山市 高齢者住宅改造助成事業(上限60万円)

所得・課税の段階助成率限度額工事費50万円のとき
生活保護世帯100%60万円50万円
市町村民税非課税世帯3分の2(約66.7%)60万円33.3万円

率は公表せず、限度額だけを段階で分けている自治体

さいたま市・北九州市は、助成率を公表していません。 公表しているのは所得段階ごとの限度額だけです。 率がわからないと工事費からの逆算ができないので、窓口で率を確認しないと金額が出ません。

さいたま市 介護予防高齢者住環境改善支援事業
所得・課税の段階限度額
介護保険料段階 第1〜2段階15万円
介護保険料段階 第3段階以上10万円
北九州市 すこやか住宅改造助成
所得・課税の段階限度額
A 生活保護・市民税非課税30万円
B 上記以外22.5万円

単一の率だけを公表している自治体(16自治体)

段階を分けず、ひとつの率で運用している、あるいは所得要件を満たした人に一律の率をかける自治体です。 所得要件そのものは各自治体のページに載せています。

自治体制度助成率上限額工事費50万円のとき
福島市高齢者住宅改修助成事業90%18万円18万円
水戸市介護予防のための住宅改善費助成事業90%9万円9万円
長野市要介護被保険者等住宅整備事業90%63万円45万円
松本市高齢者住宅等整備事業90%63万円45万円
豊田市豊田市すこやか住宅リフォーム費(高齢者等)の助成90%18万円18万円
仙台市住宅改造費の助成制度75%60万円37.5万円
宇都宮市高齢者にやさしい住環境整備事業75%90万円37.5万円
高松市高齢者住宅改造助成75%75万円37.5万円
京都市介護予防安心住まい推進事業3分の2(約66.7%)16万円16万円
川口市住宅改善整備費補助3分の2(約66.7%)20万円20万円
富山市ねたきり防止等住宅整備費の助成(ねたきり防止等住宅整備費補助金)3分の2(約66.7%)50万円33.3万円
浜松市高齢者住宅改造費補助金50%100万円25万円
山形市在宅介護支援住宅改修補助事業50%30万円25万円
大津市小規模住宅改造費助成(介護保険を優先利用)50%25万円25万円
川越市居宅改善費助成3分の1(約33.3%)10万円10万円
盛岡市要援護高齢者等住宅改造費補助事業公表なし40万円―

所得ではなく、工事費の金額帯で率が変わる自治体

鳥取市は、所得段階ではなく工事費の帯ごとに率を変えています。 工事費が上がるほど率が下がる設計です。

工事費の部分助成率
工事費20万円までの部分3分の2(約66.7%)
工事費20万円超〜80万円の部分50%

この調査の限界

  • 率は公式サイトに明記されていた値だけを載せています。推測で補っていません。載っていない自治体は「公表なし」です。
  • 「工事費50万円のとき」は率と限度額だけで機械的に計算した額です。対象になる工事の範囲、介護保険との重複分の控除、事前申請の有無で実際の額は変わります。
  • 段階名は自治体の表記のままです。「非課税世帯」の定義(本人か世帯全員か生計中心者か)は自治体によって違います。
  • 率は年度で改定されます。確認日は2026-09-01です。申請前に必ず自治体の最新のページで確認してください。

関連するデータ

このデータの引用について

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出典:介護リフォームの費用ガイド「自治体独自の住宅改修助成の助成率(所得段階別)の調査」(2026-09-01時点)
https://kaigo-reform-guide.com/data/jyosei-ritsu/

調査対象:政令指定都市20市・中核市62市・東京都特別区23区の計105自治体(悉皆)

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