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階段昇降機の費用と、介護保険が使えない理由|代わりに使える3つの制度

公開日:2026年9月5日最終更新:2026年9月2日カテゴリ:制度・費用

階段の上り下りが難しくなったとき、階段昇降機は有力な選択肢に見えます。ところが調べ始めると、介護保険の住宅改修の対象になっていないことに気づきます。

「介護のために必要なのに、なぜ対象外なのか」。この記事では、対象外になる制度上の根拠と、代わりに使える可能性がある3つの制度、そして工事の前に検討すべき代替案を整理します。

費用の目安

販売・レンタル事業者が公開している価格ページ6件を2026年8月19日に確認し、区分別に整理しました。

種類 費用の目安 特徴
いす式・直線型(購入) 30万〜80万円 規格品のレールを長さに合わせて使う
いす式・曲線型(購入) 100万〜200万円 レールを階段の形状に合わせて個別製作
いす式(レンタル) 月額1万円台〜 初期費用を抑えられる。返却できる
段差解消機(垂直移動) 30万〜80万円 玄関の高低差など、階段以外に使う
ホームエレベーター 300万〜500万円 建物の構造補強を伴うことが多い

図:種類別の費用レンジ ── 直線型と曲線型で桁が変わる

0万100万200万300万400万500万いす式・直線型(購入)30〜80万段差解消機(垂直移動)30〜80万いす式・曲線型(購入)100〜200万ホームエレベーター300〜500万 0万100万200万300万400万500万いす式・直線型(購入)30〜80万段差解消機(垂直移動)30〜80万いす式・曲線型(購入)100〜200万ホームエレベーター300〜500万
公開価格ページ6件を横断確認(2026年8月19日)。曲線型が高いのは、レールを階段の形状に合わせて1件ごとに製作するためです。日本の住宅は踊り場や回り階段が多く、曲線型に該当することが少なくありません。

n=6の公開情報にもとづく目安で、統計的な代表性はありません。 実際の金額は階段の形状・長さ・設置条件によって変わり、現地調査を経て確定します。

直線型と曲線型で価格が倍以上違う理由

同じ「いす式階段昇降機」でも、直線型と曲線型で価格帯が大きく変わります。理由はレールの製作方法です。

直線型 曲線型
レール 規格品を長さに合わせて使う 階段の形状に合わせて個別に製作
採寸 比較的簡易 踊り場・曲がりを含めた精密な採寸
納期 数週間 製作期間を含めて1〜3か月程度
価格 30万〜80万円 100万〜200万円

「うちの階段は途中で曲がっている」という場合は、曲線型になります。 日本の住宅の階段は踊り場や回り階段が多く、曲線型に該当することが少なくありません。見積もりを取る前に、自宅の階段が直線か曲線かを確認しておくと、金額の見当がつきます。

介護保険の住宅改修で対象外になる根拠

介護保険の住宅改修で認められているのは、次の6種類の工事だけです。

  1. 手すりの取り付け
  2. 段差の解消
  3. 滑りの防止および移動の円滑化等のための床材の変更
  4. 引き戸等への扉の取り替え
  5. 洋式便器等への便器の取り替え
  6. 上記1〜5に付帯して必要となる工事

図:段差の解消で「対象」と「対象外」を分ける線

スロープを造作する(動力を使わない)床をかさ上げして段差そのものをなくす敷居を撤去する・削り取る階段に手すりを連続して設置する階段昇降機を設置する(動力で段差を解消する機器)段差解消機・ホームエレベーターを設置する スロープを造作する(動力を使わない)床をかさ上げして段差そのものをなくす敷居を撤去する・削り取る階段に手すりを連続して設置する階段昇降機を設置する(動力で段差を解消する機器)段差解消機・ホームエレベーターを設置する
線引きは「動力を使うか」です。介護の必要性がどれだけ高くても、動力式の機器は住宅改修の対象になりません。ここは解釈の余地がありません。

階段昇降機は、一見「2. 段差の解消」に該当しそうに見えます。しかし「動力によって段差を解消する機器を設置する工事」は、段差の解消から明確に除かれています。

ここは解釈の余地がありません。 介護の必要性がどれだけ高くても、動力式の機器の設置は住宅改修の対象になりません。ケアマネジャーに強く要望しても、自治体に事情を説明しても、この線引きは変わりません。

対象外になる工事の全体像はこちらの記事で7分類に整理しています。

段差の解消として認められるのは、動力を使わずに段差そのものをなくす工事です。スロープの造作、床のかさ上げ、敷居の撤去などが該当します。工法別の費用は段差解消の記事で比較しています。

代わりに使える可能性がある3つの制度

介護保険の住宅改修が使えないだけで、公的な支援の可能性が尽きたわけではありません。 確認すべき制度が3つあります。

図:介護保険が使えなくても、確認する窓口が3つある

① 市区町村の独自助成可能性 高窓口:高齢福祉の担当課介護保険とは別財源年度予算の制約がある② 障害者総合支援法手帳が要窓口:障害福祉の担当課等級・種別で異なる介護保険を優先する運用③ 福祉用具貸与一部窓口:ケアマネジャー移動用リフトはつり具を除く部分が対象になる場合がある ① 市区町村の独自助成可能性 高窓口:高齢福祉の担当課介護保険とは別財源年度予算の制約がある② 障害者総合支援法手帳が要窓口:障害福祉の担当課等級・種別で異なる介護保険を優先する運用③ 福祉用具貸与一部窓口:ケアマネジャー移動用リフトはつり具を除く部分が対象になる場合がある
3つとも管轄する部署が違います。介護保険の窓口で「対象外です」と言われて終わりにすると、①に到達しません。自分から高齢福祉の担当課に聞く必要があります。

① 市区町村の独自助成

もっとも可能性があるのがこれです。介護保険とは別の財源で、自治体が独自に住宅改修や福祉機器の助成を行っている場合があります。

当サイトで105自治体の独自助成を調べたところ、階段昇降機を対象にしている自治体の上限額は、同じ東京23区の中でも6倍以上開いていました。

自治体 階段昇降機の助成上限
江戸川区 200万円
中央区 185.4万円(曲線)/87.6万円(直線)
足立区 133.2万円(要介護4・5の方)
千代田区・台東区・練馬区 各100万円
葛飾区 97.9万円(本体・付属器具)+35.3万円(設置費)
江東区 80万円
品川区 40万円
渋谷区 30万円

同じ機種を同じ価格で入れても、住んでいる区が違うだけで自己負担が100万円以上変わります。種目ごとの上限額は設備別に見た自治体独自の住宅改修助成、制度全体は自治体独自の住宅改修助成の調査にまとめています。

確認すること 聞き方
制度の有無 「高齢者向けの住宅改修の助成制度はありますか」
階段昇降機が対象か 「階段昇降機は助成の対象になりますか」
上限額 「上限はいくらですか」
所得制限 「所得制限はありますか」
年度の予算 「今年度の受付はまだ間に合いますか」

窓口は介護保険担当課ではなく、高齢福祉の担当課です。 介護保険の窓口で「対象外です」と言われて終わりにすると、この制度に到達しません。部署が違うので、自分から聞く必要があります。

独自助成には年度予算の制約があることが多く、年度後半は受付が終わっている場合があります。詳しくは補助金の記事にまとめています。

② 障害者総合支援法の住宅改修費

障害者手帳を持っている場合に確認する制度です。

項目 内容
窓口 市区町村の障害福祉の担当課
対象 手帳の等級・障害の種別によって異なる
介護保険との関係 介護保険を優先して適用する運用が一般的
階段昇降機の扱い 自治体・制度によって判断が分かれる

介護保険の対象者であっても、介護保険で対象外になった工事について、この制度が使える余地がある場合があります。手帳をお持ちなら、必ず障害福祉の窓口にも確認してください。

③ 福祉用具貸与(移動用リフト)

これは階段昇降機そのものではありませんが、関連する制度です。

移動用リフトについては、つり具の部分を除いたものが福祉用具貸与の対象になる場合があります。階段の昇降を目的とした機器ではありませんが、屋内の移乗や、玄関の段差の昇降に使える機種があります。

購入ではなくレンタルであれば制度が使える可能性があるため、ケアマネジャーと福祉用具専門相談員の両方に相談してください。

工事の前に検討すべき代替案

階段昇降機の検討に入る前に、そもそも階段を使わない生活にできないかを考える価値があります。

代替案 費用の目安 メリット 注意点
寝室を1階に移す 0円〜数万円 費用がほぼかからない 1階に部屋の余裕が必要
1階に簡易的な洗面を設ける 10万〜30万円 2階の洗面所を使わなくなる 給排水工事が必要
1階のトイレを使いやすくする 2万〜30万円 介護保険の対象になる工事が多い トイレの広さの制約
2階の使用をやめる 0円 費用ゼロ。掃除の負担も減る 家族の生活動線との調整
手すり+踏面の滑り止めで階段を安全にする 3万〜15万円 介護保険の対象。自力での昇降を維持できる 昇降そのものが困難なら効果が限定的

図:検討する順番(上から試すほど、費用が小さい)

12階に何があるかを書き出す寝室だけなら1階に移せる可能性がある0円2寝室を1階に移す費用がほぼかからず、身体状況の変化にも対応しやすい0〜数万31階のトイレ・洗面を使いやすくするトイレの工事は介護保険の対象になるものが多い2〜30万4階段に手すり+踏面の滑り止め介護保険の対象。自力での昇降を維持する3〜15万5階段昇降機の検討に進む2階に浴室やトイレしかない等、移動を避けられない場合30〜200万 12階に何があるかを書き出す寝室だけなら1階に移せる可能性がある0円2寝室を1階に移す費用がほぼかからず、身体状況の変化にも対応しやすい0〜数万31階のトイレ・洗面を使いやすくするトイレの工事は介護保険の対象になるものが多い2〜30万4階段に手すり+踏面の滑り止め介護保険の対象。自力での昇降を維持する3〜15万5階段昇降機の検討に進む2階に浴室やトイレしかない等、移動を避けられない場合30〜200万
判断の分かれ目は「2階に何があるか」です。寝室だけなら1階に移せます。浴室やトイレが2階にしかない間取りなら、5番に進む合理性があります。

「寝室を1階に移す」がもっとも費用対効果が高いことが多くあります。 階段昇降機に100万円かけるより、1階の一室を寝室にして、そのフロアで生活が完結する形にするほうが、身体状況が変化したときにも対応しやすくなります。

判断の分かれ目は「2階に何があるか」です。 寝室だけなら1階に移せます。しかし浴室が2階にある、トイレが2階にしかない、といった間取りの場合は移動そのものを避けられません。この場合は昇降機の検討に進む合理性があります。

階段の昇降を維持する方向であれば、手すりの設置は介護保険の対象です。連続した手すりを設置し、踏面に滑り止めを施すことで、自力での昇降を安全にできる場合があります。手すりの費用は手すり取り付けの記事で集計しています。

設置できない階段もある

昇降機を選ぶと決めた場合でも、設置できるかどうかは階段の条件で決まります。

事業者によって条件は異なりますが、一般に次の点が確認されます。

  • 有効幅 — 昇降機を設置しても人が通れる幅が残るか
  • 階段の強度 — レールを固定できる構造か。踏板が薄いと補強が必要
  • 最上部・最下部のスペース — いすを収納する余地があるか
  • 踊り場の形状 — 曲線型でも対応できる形か
  • 電源 — 近くにコンセントがあるか

狭い階段では設置できないことがあります。 現地調査で判断されるため、間取り図だけで決めずに、必ず現地を見てもらってください。

複数の事業者に見てもらうと、「A社では設置不可、B社では機種を変えれば可能」という結果になることもあります。1社で断られても、別の事業者に相談する価値があります。

レンタルと購入の判断

購入だけでなく、レンタルに対応している事業者があります。

購入 レンタル
初期費用 30万〜200万円 設置費用+月額
月額 なし 1万円台〜
不要になったとき 撤去費用がかかる 返却できる
長期利用 総額では有利になる 総額で購入を上回ることがある
身体状況の変化 対応しにくい 機種変更や返却で対応できる
向いている場合 長期に住み続ける・状態が安定 施設入所の見込み・状態が変化中

図:レンタルと購入、どちらが向くか

レンタルが向く施設入所を待っている期間身体状況が変化している時期その家に住み続けるか未定初期費用を抑えたい不要になったら返却したい月額1万円台〜の例がある購入が向くその家に長く住み続けることが決定身体状況が安定している総額で有利になる年数を超える見込み機種を変える必要がない撤去費用は別途かかる レンタルが向く施設入所を待っている期間身体状況が変化している時期その家に住み続けるか未定初期費用を抑えたい不要になったら返却したい月額1万円台〜の例がある購入が向くその家に長く住み続けることが決定身体状況が安定している総額で有利になる年数を超える見込み機種を変える必要がない撤去費用は別途かかる
損益分岐は月額と購入価格で変わります。「何年使うと購入のほうが安くなるか」を事業者に計算してもらってください。中古品は、階段に合わせたレールが流用できないため成り立ちにくい設備です。

施設入所を待っている期間や、身体状況が変化している時期はレンタルが合理的です。 逆に、その家に長く住み続けることが決まっていて状態も安定しているなら、購入のほうが総額で有利になります。

損益分岐は月額と購入価格によって変わるため、「何年使うと購入のほうが安くなるか」を事業者に計算してもらってください。

進めるときの順番

  • 自宅の階段が直線か曲線かを確認する(金額の桁が変わる)
  • 2階に何があるかを書き出す(寝室だけなら1階に移せる可能性がある)
  • ケアマネジャーに相談し、1階で生活が完結する案を検討する
  • 階段に手すりを付ける案(介護保険の対象)を先に検討する
  • 昇降機に進む場合、高齢福祉の担当課に独自助成を確認する
  • 障害者手帳がある場合、障害福祉の担当課にも確認する
  • ケアマネジャーに福祉用具貸与で使えるものがないか確認する
  • 複数の事業者に現地調査を依頼する(1社で不可でも別社で可能な場合がある)
  • レンタルと購入の損益分岐を計算してもらう

5番目と6番目を飛ばさないでください。 介護保険が使えないと分かった時点で諦めてしまうケースが多く、使える可能性のある制度に到達しないまま全額自己負担になります。

設置したあとに分かる注意点

カタログや見積書からは読み取りにくい、実際に使い始めてから問題になる点を整理します。

起きること 内容 事前に確認できること
階段が狭くなる いすを畳んでも一定の張り出しが残る。ほかの家族が通りにくくなる 収納時の張り出し寸法(mm)を聞く
乗り移りが難しい 階段の上下で車いすからいすへ乗り移る動作が発生する 上下階に移乗のスペースがあるか
荷物を運べない 本人が乗ると手がふさがる。洗濯物や荷物は別に運ぶ必要がある 生活動線に荷物の運搬が含まれるか
停電時に動かない バッテリー内蔵の機種もあるが、機種による 停電時の動作と手動での降下方法
操作が覚えられない 認知機能の低下があると操作を誤ることがある 誰が操作するのか、見守りが必要か
動作音が気になる 深夜の使用で家族が起きる場合がある 実機の動作音を確認する

図:昇降機で解決すること/残ること

昇降機が解決すること階段を上り下りする動作昇降中の転落のリスク介助者が支えながら昇降する負担本人が単独で階を移動できる(操作できる場合)階段の「移動」が機械に置き換わる昇降機でも残ること上下階での車いす→いすの乗り移り荷物・洗濯物の運搬停電時の対応(機種による)階段が狭くなる(収納時も張り出しが残る)操作を誤るリスク(認知機能の低下がある場合)移乗に介助が必要なら負担は減らない 昇降機が解決すること階段を上り下りする動作昇降中の転落のリスク介助者が支えながら昇降する負担本人が単独で階を移動できる(操作できる場合)階段の「移動」が機械に置き換わる昇降機でも残ること上下階での車いす→いすの乗り移り荷物・洗濯物の運搬停電時の対応(機種による)階段が狭くなる(収納時も張り出しが残る)操作を誤るリスク(認知機能の低下がある場合)移乗に介助が必要なら負担は減らない
移乗そのものに介助が必要な段階では、昇降機を入れても家族の負担は減りません。「乗り移りは自力でできる見込みか」をリハビリ職に確認してから判断してください。

もっとも見落とされるのが「乗り移り」です。 階段昇降機は階段を移動する機器で、階段の上下での乗り移りは自力または介助で行います。移乗そのものに介助が必要な段階であれば、昇降機を入れても家族の負担は減りません。

この点は、ケアマネジャーやリハビリを担当している理学療法士・作業療法士に「乗り移りは自力でできる見込みか」を確認してください。ここが成立しないと、100万円をかけても使われない設備になります。

実機を見てから決める

可能であれば、購入前に実際の動作を確認してください。

  • 事業者のショールームで実機に座ってみる
  • 本人が座って操作できるかを確認する(ボタンの位置・握力)
  • 動作音を聞く
  • 収納時の張り出しを目で見る
  • 上下階での乗り移りの動作を再現してみる

カタログの寸法では分からない部分が多く、本人が使えるかどうかは実機でしか判断できません。福祉機器の展示会や、自治体の福祉用具展示コーナーで見られる場合もあります。

メンテナンスと耐用年数

購入した場合、設置後の維持費が発生します。

項目 目安 補足
定期点検 年1回程度 事業者によって有償・無償が分かれる
保証期間 1〜数年 メーカー・機種による
バッテリー交換 数年ごと 機種による。交換費用は要確認
撤去費用 不要になったとき 見積もり時に確認しておく

見積もりの段階で「点検費用」「保証期間」「撤去費用」の3点を確認してください。 本体価格だけを比較すると、維持費で差がつくことがあります。

中古品や譲渡品については注意が必要です。階段の形状に合わせたレールはそのまま流用できないことが多く、とくに曲線型は個別製作のため他の家では使えません。直線型でも階段の長さが違えばレールの加工が必要になります。「中古で安く」という判断が成り立ちにくい設備です。

家族の負担という観点で見直す

階段昇降機を検討する場面では、本人の移動だけでなく介助する家族の負担も判断材料になります。

次の観点で整理してみてください。

現状 昇降機を入れた場合 1階で完結させた場合
階段の介助が1日何回あるか 移乗の介助が1日何回になるか 階段の介助がゼロになる
介助者の身体的負担 抱える動作は残る 抱える動作がなくなる
夜間の対応 夜間も昇降機を使うのか 同じフロアなので対応が早い
介助者が不在のとき 本人が単独で使えるか 移動そのものが不要

「1階で完結させる案」が家族の負担の観点でも有利になることが多くあります。 昇降機は階段の移動を機械が担いますが、乗り移りの介助は残ります。一方、生活を1階にまとめれば階段の移動自体がなくなります。

費用だけでなく、5年後・10年後にどちらが続けられるかという視点で比べてください。身体状況は変化します。その変化に対応しやすいのは、設備を増やす方向よりも、動線を短くする方向です。

相談の順番と窓口の整理

聞きたいこと 相談先
1階で生活が完結する案が現実的か 担当のケアマネジャー
乗り移りが自力でできる見込みか 理学療法士・作業療法士
階段の手すりが介護保険の対象になるか 市区町村の介護保険担当課
階段昇降機に独自助成があるか 市区町村の高齢福祉担当課
障害者総合支援法で使えるか 市区町村の障害福祉担当課
福祉用具貸与で代替できるものがあるか ケアマネジャー・福祉用具専門相談員
自宅の階段に設置できるか 販売・レンタル事業者(複数社)
どこに聞けばよいか分からない 地域包括支援センター

上から順に当たってください。 事業者への相談を先にすると、設置する前提で話が進みます。制度と代替案を確認してから事業者に会うほうが、判断を誤りません。

まとめ

階段昇降機について押さえるべき点は4つです。

  1. 介護保険の住宅改修では対象外(動力式の機器は明確に除かれている)
  2. 直線型30万〜80万円、曲線型100万〜200万円(レールの製作方法で桁が変わる)
  3. 代わりに確認する制度が3つある(市区町村の独自助成/障害者総合支援法/福祉用具貸与)
  4. 1階で生活が完結する案を先に検討する(寝室の移動なら費用がほぼかからない)

金額は公開情報6件にもとづく目安です。制度の適用可否は自治体によって判断が分かれ、また改正されることがあります。実際の検討にあたっては、担当のケアマネジャー、市区町村の高齢福祉担当課および障害福祉担当課にご確認ください。

よくある質問

階段昇降機は介護保険の住宅改修で使えますか?
使えません。介護保険の住宅改修の対象は6種類の工事に限定されており、動力によって段差を解消する機器は明確に除かれています。介護の必要性が高くても、制度上は対象外です。
費用はいくらかかりますか?
いす式で直線型が30万〜80万円、曲線型が100万〜200万円程度が目安です。ホームエレベーターは300万〜500万円程度になります。レンタルに対応している事業者もあり、月額1万円台からの例があります。
直線型と曲線型で価格が大きく違うのはなぜですか?
曲線型はレールを階段の形状に合わせて個別に製作するためです。直線型は規格品のレールを長さに合わせて使えますが、曲線型は採寸から製作までを1件ごとに行うため、製作費が価格に乗ります。
介護保険が使えないなら、他に方法はありませんか?
3つあります。市区町村の独自助成、障害者総合支援法の住宅改修費、そして福祉用具貸与(移動用リフトはつり具を除く部分が対象になる場合がある)です。管轄する部署が別々なので、それぞれに確認が必要です。
レンタルはできますか?
対応している事業者があります。購入と違って初期費用が抑えられ、不要になれば返却できます。身体状況が変化しやすい時期や、施設入所の見込みがある場合には検討する価値があります。ただし長期になると総額で購入を上回ることがあります。
賃貸やマンションでも設置できますか?
屋内の専有部の階段であれば、所有者の承諾や管理規約の範囲内で可能な場合があります。一方、マンションの共用階段は共用部にあたるため個人では設置できません。設置には階段の幅・強度の条件もあります。
設置に必要な階段の条件はありますか?
事業者によりますが、有効幅(昇降機を設置しても人が通れる幅)と、レールを固定できる階段の強度が必要です。狭い階段や、踏板が薄い階段では設置できないことがあります。現地調査で判断されます。
工事の前に検討すべきことはありますか?
1階で生活が完結する間取りに変更できないかを先に検討してください。寝室を1階に移す、1階に簡易的な洗面を設けるといった対応で済む場合があり、階段昇降機より安く、身体状況の変化にも対応しやすくなります。

この記事の作り方

制度の記述の確認日
2026年8月19日(厚生労働省の通知および下記の一次情報を参照)
金額の集計方法
階段昇降機の販売・レンタル事業者が公開する価格ページ6件を2026年8月19日に確認し、直線型・曲線型・レンタルの区分で整理しました。n=6の公開情報にもとづく目安であり、統計的な代表性はありません。
この記事で扱っていないこと
  • 特定メーカー・機種の性能比較
  • 特定の販売業者の紹介
  • 個別の階段が設置可能かどうかの判断
立場
当サイトは施工を行いません。特定の業者を有利に扱う理由がないため、 工事を減らす選択肢(福祉用具・照明の改善など)も同じ比重で扱っています。 誤りのご指摘はお問い合わせから受け付け、修正時は更新日を改めます。

参考にした一次情報

  1. 厚生労働省「介護保険における住宅改修」
  2. 厚生労働省「介護保険の給付対象となる福祉用具及び住宅改修の取扱いについて」
  3. 階段昇降機の販売・レンタル事業者が公開する価格ページ6件(2026年8月19日確認)

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