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償還払いと受領委任払いの違い|用意する現金が10分の1になる制度

公開日:2026年8月29日最終更新:2026年9月2日カテゴリ:制度・費用

介護保険の住宅改修で、あまり説明されないのに家計への影響がもっとも大きいのがこの論点です。

20万円の工事をするとき、用意する現金は20万円なのか、2万円なのか。 これが支払い方法によって変わります。10倍の差です。

2つの方法の違い

償還払い 受領委任払い
最初に支払う額 工事費の全額 自己負担分(1〜3割)だけ
20万円の工事なら(1割負担) 20万円 2万円
保険給付分の流れ あとから本人の口座へ振り込まれる 自治体から業者へ直接支払われる
入金までの期間 事後申請から1〜2か月程度 ─(立て替えがないため待たない)
対応 すべての自治体 対応している自治体のみ
業者の条件 制限なし 自治体に登録・協定している業者のみ

図:20万円の工事で、最初に用意する現金(1割負担)

20万円償還払い全額を立て替える2万円受領委任払い自己負担分だけ償還払いでは、保険給付分の18万円が戻るのは事後申請から1〜2か月後。つまり20万円を1〜2か月立て替えることになる 償還払い20万円全額を立て替える受領委任払い2万円自己負担分だけ償還払いでは、保険給付分の18万円が戻るのは事後申請から1〜2か月後。つまり20万円を1〜2か月立て替えることになる
最終的な自己負担額は同じですが、用意する現金が10倍違います。年金収入のみの世帯では、これが工事を諦める理由になり得ます。

償還払いは「いったん全額払って、あとで戻ってくる」方式です。 制度上はどの自治体でも使えますが、手元に工事費の全額を用意する必要があります。

受領委任払いは「自己負担分だけ払う」方式です。 保険給付分は自治体から業者へ直接支払われるため、立て替えが発生しません。

戻ってくるまでの期間が問題になります。 償還払いでは、工事完了後に事後申請を出し、支給決定を経て振り込まれます。提出から入金まで1〜2か月程度が目安です。つまり20万円を1〜2か月立て替えることになります。年金収入のみの世帯では、これが工事を諦める理由になり得ます。

両方の条件が揃って初めて使える

受領委任払いを使うには、2つの条件を同時に満たす必要があります。

  1. 自治体が受領委任払いに対応している
  2. 施工業者がその自治体に登録・協定している

図:2つの条件を同時に満たす必要がある

自治体が受領委任払いに対応している施工業者がその自治体に登録・協定している自治体は対応しているが、選んだ業者が登録していない → 償還払いになる業者は登録しているが、自治体に制度がない → 償還払いになる 自治体が受領委任払いに対応している施工業者がその自治体に登録・協定している自治体は対応しているが、選んだ業者が登録していない → 償還払いになる業者は登録しているが、自治体に制度がない → 償還払いになる
「自治体は対応しているのに、選んだ業者が登録していなかった」という理由で使えないケースが起こります。だから業者選びの段階で確認する必要があります。

どちらか一方でも欠けると、償還払いになります。ここが実務上の落とし穴です。

「自治体は対応しているのに、選んだ業者が登録していなかった」という理由で使えないケースが起こります。だから業者選びの段階で確認する必要があります。 業者を比較する基準は業者選びの記事で5点に整理しています。

制度の名称が統一されていない

自分の自治体が対応しているかを調べようとすると、最初の壁にぶつかります。名称が統一されていないのです。

当サイトで東京23区の全区を調べたところ(2026年8月19日確認)、次の名称が使われていました。

図:東京23区で確認できた6通りの呼び方

受領委任払い新宿区・墨田区など受領委任払い方式中央区受領委任払方式千代田区受領委任払い制度葛飾区・豊島区など給付券文京区制度名で検索すると見つからない代理受領方式北区制度名で検索すると見つからない 受領委任払い新宿区・墨田区など受領委任払い方式中央区受領委任払方式千代田区受領委任払い制度葛飾区・豊島区など給付券文京区制度名で検索すると見つからない代理受領方式北区制度名で検索すると見つからない
2026年8月19日に東京23区の全区を確認した結果です。文京区は「給付券」、北区は「代理受領方式」と案内しているため、「受領委任払い」で検索すると該当なしになります。
名称 使っている区の例
受領委任払い/受領委任払い方式/受領委任払方式 千代田区・中央区・新宿区など
給付券 文京区
代理受領方式 北区
受領委任払い制度 葛飾区・豊島区など

確認できた範囲で6通りの呼び方がありました。

つまり「受領委任払い」という語で自区のサイトを検索しても、見つからない区があります。 文京区は「給付券」、北区は「代理受領方式」と案内しているため、制度名で検索すると「該当なし」になります。

見つからないことを「制度がない」と判断しないでください。

窓口では「仕組み」で尋ねる

制度名が分からなくても確認できる聞き方があります。

図:制度名が分からなくても確認できる聞き方

「工事費の自己負担分だけを支払う方法はありますか」「全額を立て替えずに済む方法はありますか」「保険給付分を業者に直接支払ってもらえますか」「受領委任払いはありますか」だけで終わらせる 「工事費の自己負担分だけを支払う方法はありますか」「全額を立て替えずに済む方法はありますか」「保険給付分を業者に直接支払ってもらえますか」「受領委任払いはありますか」だけで終わらせる
担当者は自区の制度名で認識しています。こちらが違う名称を使うと「そういう制度はありません」という回答になり得るため、仕組みで尋ねてください。
  • 「工事費の自己負担分だけを支払う方法はありますか」
  • 「全額を立て替えずに済む方法はありますか」
  • 「保険給付分を業者に直接支払ってもらえますか」

制度名ではなく仕組みで尋ねるのが確実です。 担当者は制度名で認識しているため、こちらが違う名称を使うと「そういう制度はありません」という回答になる可能性があります。

東京23区の対応状況

当サイトでは、東京23区の全区について対応状況を調べ、一覧として公開しています。

23区すべてで、住宅改修の受領委任払い(またはそれに相当する制度)を確認できました。 当初は9区で確認できていませんでしたが、区の公式サイトを読み直して補完しています。「確認できなかった」を「対応していない」と読むと誤ります。

各区の詳細、確認方法、調査の限界は東京23区 受領委任払い対応状況一覧にまとめています。CSV・JSON形式でも公開しており、出典を明記すれば自由にお使いいただけます。

なお、この調査には限界があります。 23区のうち本文を直接確認できたのは6区で、残りは区サイト内検索のページ名・様式名までの確認にとどまります。「確認できず」は制度が存在しないことの証明ではありません。実際の利用時には必ず各区の窓口にご確認ください。

東京23区以外については調べていません。 同じ方法で調べれば分かりますが、当サイトのデータとしては提供していません。

受領委任払いにもデメリットがある

手元資金の面では受領委任払いが有利ですが、一方的に優れているわけではありません。

償還払い 受領委任払い
業者の選択肢 制限なし 登録業者に限られる
相見積もりの範囲 広い 狭くなる
工事費が下がる可能性 競争が働きやすい 選択肢が狭く、下がりにくい可能性
手元資金の負担 大きい 小さい
手続きの手間 事後申請で振込を待つ 立て替えなし

図:一方的に優れているわけではない

償還払いが向く手元資金に余裕がある業者を幅広く比較したい登録業者が地域に1〜2社しかない工事費そのものを下げたい相見積もりが機能する受領委任払いが向く20万円前後の立て替えが難しい対象外工事が多く総額が大きい入金まで1〜2か月待てない手続きの手間を減らしたい業者の選択肢は狭まる 償還払いが向く手元資金に余裕がある業者を幅広く比較したい登録業者が地域に1〜2社しかない工事費そのものを下げたい相見積もりが機能する受領委任払いが向く20万円前後の立て替えが難しい対象外工事が多く総額が大きい入金まで1〜2か月待てない手続きの手間を減らしたい業者の選択肢は狭まる
登録業者が地域に数社しかない場合、相見積もりが実質的に機能しません。立て替えを避けた分の利益が工事費で消えることもあり得ます。「使えるなら受領委任払い」と機械的に決めないでください。

業者の選択肢が狭まる点は無視できません。 登録業者が地域に数社しかない場合、相見積もりが実質的に機能しません。結果として工事費が高くなり、立て替えを避けた分の利益が工事費で消えるという事態もあり得ます。

判断はこうなります。

状況 向いている方法
20万円前後を1〜2か月立て替えるのが難しい 受領委任払い
手元資金に余裕がある 償還払い(幅広く比較できる)
対象外工事が多く総額が大きい 受領委任払い(対象工事分だけでも立て替えが減る)
登録業者が地域に1〜2社しかない 償還払いも検討する

「使えるなら受領委任払い」と機械的に決めないでください。 手元資金に余裕があるなら、償還払いで広く比較したほうが総額が下がる可能性があります。

立て替えが難しい場合の他の方法

受領委任払いが使えず、かつ立て替えも難しい場合の選択肢です。

図:立て替えが難しいときに試す順番

1工事を分割する20万円の枠は複数回に分けて使える。1回あたりの額を下げる取りやすい2対象工事だけ先に行う対象外工事を切り離せば、立て替える額が減る3福祉用具で代替するレンタルなら月数百円から。立て替えも枠の消費もない月数百円〜4市区町村の独自助成を確認する自己負担そのものが下がる可能性がある5社会福祉協議会の生活福祉資金貸付を確認する低所得世帯向け。要件と窓口を確認する 1工事を分割する20万円の枠は複数回に分けて使える。1回あたりの額を下げる取りやすい2対象工事だけ先に行う対象外工事を切り離せば、立て替える額が減る3福祉用具で代替するレンタルなら月数百円から。立て替えも枠の消費もない月数百円〜4市区町村の独自助成を確認する自己負担そのものが下がる可能性がある5社会福祉協議会の生活福祉資金貸付を確認する低所得世帯向け。要件と窓口を確認する
工事の分割がもっとも取りやすい方法です。ただし工事を分けると諸経費が2回分かかることがあるため、総額と手元資金のどちらを優先するかの判断になります。
方法 内容
工事を分割する 20万円の枠は複数回に分けて使える。1回あたりの金額を下げられる
対象工事だけ先に行う 対象外工事を切り離せば、立て替える額が減る
社会福祉協議会の生活福祉資金貸付 低所得世帯向けの貸付制度。要件と窓口を確認する
市区町村の独自助成 介護保険とは別に助成がある場合、自己負担そのものが下がる
福祉用具で代替する レンタルなら月数百円から。立て替えが発生しない

工事の分割はもっとも取りやすい方法です。 20万円の枠は一度に使い切る必要がなく、複数回に分けて使えます。いま最も困っている動線だけを先に工事すれば、立て替える額は数万円で済みます。枠の使い方はリセットの記事で整理しています。

福祉用具での代替も現実的です。 据え置き型手すりや置くだけスロープは月数百円程度のレンタルで、立て替えも枠の消費もありません。

手続きの流れの違い

支払い方法によって、事後の手続きが変わります。

償還払いの場合

  1. 事前申請 → 承認
  2. 工事の実施
  3. 工事費の全額を業者に支払う
  4. 領収書・工事内訳書・工事後の写真を受け取る
  5. 事後申請(完了報告)を提出
  6. 支給決定通知を受け取る
  7. 指定口座に保険給付分が振り込まれる(提出から1〜2か月程度)

受領委任払いの場合

  1. 事前申請(受領委任払いの申出書・委任状を併せて提出)→ 承認
  2. 工事の実施
  3. 自己負担分だけを業者に支払う
  4. 領収書・工事内訳書・工事後の写真を受け取る
  5. 事後申請(完了報告)を提出
  6. 自治体から業者へ保険給付分が支払われる

受領委任払いでは、事前申請の時点で追加の書類が必要です。 「受領委任払方式利用申出書兼委任状」といった名称の様式で、自治体によって呼び方が異なります。事前申請と同時に出す必要があるため、あとから受領委任払いに変更するのは難しいと考えてください。

事前申請の全体の流れは申請の流れ7ステップの記事で解説しています。

確認するときのチェックリスト

  • 自治体が受領委任払いに対応しているか(制度名ではなく仕組みで尋ねる)
  • 対応している場合、必要な追加書類は何か
  • 追加書類は事前申請と同時に提出するのか
  • 登録業者・協定事業者の一覧が公開されているか
  • 検討している業者がその一覧に入っているか
  • 償還払いの場合、入金までどれくらいかかるか
  • 立て替えが難しい場合、工事を分割できるか
  • 自己負担割合(1〜3割)を負担割合証で確認したか

1番目の聞き方が要点です。 「受領委任払いはありますか」と聞いて「ありません」と返ってきても、「自己負担分だけ払う方法はありますか」と聞き直すと別の名称で存在する場合があります。

対象外工事が多い場合の考え方

対象外の工事が混ざると、立て替える額の構造が変わります。

たとえば工事の総額が60万円で、対象工事が20万円、対象外工事が40万円という場合を考えます(1割負担)。

償還払い 受領委任払い
最初に支払う額 60万円 42万円
うち対象工事の自己負担 (20万円) 2万円
うち対象外工事 (40万円) 40万円
あとから戻る額 18万円 なし(差額を払わないため)
最終的な自己負担 42万円 42万円

最終的な自己負担は同じ42万円ですが、最初に用意する現金が18万円違います。

ここで重要なのは、対象外工事の40万円は、どちらの方式でも立て替えではなく確定した自己負担だという点です。受領委任払いを使っても、この40万円は減りません。

受領委任払いを「安くなる制度」と誤解しないでください。 支払うタイミングが変わるだけで、最終的な自己負担額は同じです。安くしたいなら、対象外工事を削るか、福祉用具で代替するしかありません。

浴槽の交換(30万〜60万円・対象外)が浴槽台やバスボード(数万円)で解決することは珍しくありません。詳しくは浴室リフォームの記事で整理しています。

工事の総額と自己負担の内訳は、自己負担額シミュレーターで試算できます。対象工事と対象外工事を分けて入力すると、20万円の枠の使い方と超過分が振り分けられます。

領収書と支払いの実務

支払い方法によって、領収書の扱いが変わります。

償還払い 受領委任払い
領収書の金額 工事費の全額 自己負担分のみ
領収書の宛名 本人(被保険者)名義 本人名義
事後申請に必要か 必要 必要(自治体による)
支払いの方法 現金・振込など業者との取り決め 同じ

領収書は本人(被保険者)の名前で発行してもらってください。 家族が実際に支払った場合でも、宛名は本人にするのが原則です。家族名義だと、被保険者との関係の確認に時間がかかることがあります。

支払いのタイミングは業者との取り決めによります。着工前に全額を前払いするよう求められた場合は、慎重に判断してください。 一般的には工事完了後の支払い、または着手金と完了時の分割です。前払いを求める理由を確認し、書面に残してください。

手続きが遅れる要因

支払い方法に関して、手続きが遅れる典型的な原因を挙げます。

遅れる原因 起きること
受領委任払いの申出書を事前申請と同時に出していない あとからの変更が難しく、償還払いになる
選んだ業者が登録業者でないことに後で気づく 業者を変えるか、償還払いに切り替える
委任状の記載に不備がある 差し戻し。1週間程度の遅れ
負担割合証を確認していない 自己負担額の見込みが違ってくる
事後申請の提出が遅い 入金がさらに後ろにずれる

1番目がもっとも多い落とし穴です。 受領委任払いを使うには、事前申請の時点で申出書と委任状を併せて提出する必要があります。「工事が終わってから受領委任払いにしたい」という変更は、原則として受け付けられません。

支払い方法は、事前申請より前に決めておく必要があります。 業者選びと同時に検討してください。

介護保険負担割合証は、自己負担割合(1割・2割・3割)が記載された書類です。毎年更新されるため、最新のものを確認してください。 割合が2割・3割の場合、20万円の工事の自己負担は4万円・6万円になります。

自治体に確認するときの質問リスト

窓口や電話で確認するとき、この順番で聞くと漏れません。

図:この順番で聞くと漏れない

1「自己負担分だけを支払う方法はありますか」制度名ではなく仕組みで聞く2「その制度は何という名称ですか」以降の書類・検索で使う必ず聞く3「利用するにはどの書類が必要ですか」4「その書類は事前申請と同時に出すのですか」あとからの変更は難しい5「登録業者の一覧は公開されていますか」6「償還払いの場合、入金までどれくらいかかりますか」7「工事を分割して申請することはできますか」立て替えが難しい場合の代替案 1「自己負担分だけを支払う方法はありますか」制度名ではなく仕組みで聞く2「その制度は何という名称ですか」以降の書類・検索で使う必ず聞く3「利用するにはどの書類が必要ですか」4「その書類は事前申請と同時に出すのですか」あとからの変更は難しい5「登録業者の一覧は公開されていますか」6「償還払いの場合、入金までどれくらいかかりますか」7「工事を分割して申請することはできますか」立て替えが難しい場合の代替案
2番目を必ず聞いてください。制度名が分かれば、自治体のサイトでその名称で検索して様式がすぐ見つかります。
  1. 「工事費の自己負担分だけを支払う方法はありますか」(制度名ではなく仕組みで聞く)
  2. 「その制度は何という名称ですか」(以降の書類で使う)
  3. 「利用するにはどの書類が必要ですか」
  4. 「その書類は事前申請と同時に出すのですか」
  5. 「登録業者の一覧は公開されていますか」
  6. 「償還払いの場合、入金までどれくらいかかりますか」
  7. 「工事を分割して申請することはできますか」

2番目を必ず聞いてください。 制度名が分かれば、その後のやり取りと書類の準備がスムーズになります。自治体のサイトでその名称で検索すれば、様式もすぐ見つかります。

7番目は、立て替えが難しい場合の代替案です。20万円の枠は複数回に分けて使えるため、1回あたりの工事費を下げれば立て替える額も下がります。ただし工事を分けると諸経費が2回分かかることがあるため、総額と手元資金のどちらを優先するかの判断になります。

まとめ

支払い方法について押さえるべき点は4つです。

  1. 用意する現金が10倍変わる(20万円の工事で20万円か2万円か)
  2. 自治体と業者の両方の条件が揃って初めて使える(業者選びの段階で確認する)
  3. 制度の名称が統一されていない(給付券・代理受領方式という呼び方もある)
  4. 受領委任払いにもデメリットがある(業者の選択肢が狭まり、工事費が下がりにくい可能性)

立て替えが難しい場合は、工事を分割する方法が現実的です。20万円の枠は一度に使い切る必要がありません。

東京23区については対応状況の一覧を公開していますが、調査には限界があり、また制度は変更されます。実際の利用にあたっては、必ずお住まいの市区町村の介護保険窓口にご確認ください。

よくある質問

償還払いと受領委任払いの違いは何ですか?
用意する現金の額が違います。償還払いは工事費の全額をいったん支払い、あとから保険給付分が振り込まれます。受領委任払いは自己負担分(1〜3割)だけを支払えば済みます。20万円の工事なら20万円か2万円かの差になります。
どちらを選べますか?
自治体が受領委任払いに対応していて、かつ施工業者がその自治体に登録・協定している場合に限り選べます。どちらか一方でも条件を満たさない場合は償還払いになります。事前申請の際に選択します。
自分の自治体が対応しているか、どう調べればよいですか?
自治体のサイトで検索するのが基本ですが、制度の名称が統一されていないため見つからないことがあります。東京23区を調べたところ、「受領委任払い」以外に「給付券」「代理受領方式」という名称がありました。窓口で「自己負担分だけ払う方法はありますか」と仕組みで尋ねるのが確実です。
受領委任払いに対応している自治体はどれくらいありますか?
全国の統計としては、総務省の調査で導入率は保険者ベースで64.2%です。当サイトが東京23区の全区を調べた範囲では、23区すべてで対応(またはそれに相当する制度)を確認できました。政令指定都市20市も全市で対応していました。
業者が登録していない場合はどうなりますか?
その業者に依頼する場合は償還払いになります。受領委任払いを使いたい場合は、自治体が公開している登録業者・協定事業者の一覧から選ぶことになります。業者選びの段階で確認してください。
償還払いだと、お金はいつ戻ってきますか?
工事完了後に事後申請を提出し、支給決定を経て指定口座に振り込まれます。提出から入金まで1〜2か月程度が目安です。自治体によって期間は異なります。
立て替えが難しい場合、他に方法はありませんか?
工事を分割して1回あたりの金額を下げる、対象外工事を切り離して先に対象工事だけ行う、といった方法があります。また社会福祉協議会の生活福祉資金貸付など、別の制度が使える場合もあります。ケアマネジャーに相談してください。
受領委任払いのデメリットはありますか?
業者の選択肢が登録業者に限られる点です。相見積もりを取れる範囲が狭くなり、結果として工事費が高くなる可能性があります。手元資金に余裕があれば、償還払いで幅広く比較するという判断もあり得ます。

この記事の作り方

制度の記述の確認日
2026年8月19日(厚生労働省の通知および下記の一次情報を参照)
横断して確認した自治体
23件の市区町村が公開する要綱・案内ページ。 運用が分かれる論点は「自治体によって判断が異なる」と明記し、断定を避けています。
この記事で扱っていないこと
  • 東京23区以外の自治体の対応状況
  • 個別の施工業者が登録済みかどうかの情報
  • 立て替えが困難な場合の融資・貸付制度の詳細
立場
当サイトは施工を行いません。特定の業者を有利に扱う理由がないため、 工事を減らす選択肢(福祉用具・照明の改善など)も同じ比重で扱っています。 誤りのご指摘はお問い合わせから受け付け、修正時は更新日を改めます。

参考にした一次情報

  1. 厚生労働省「介護保険における住宅改修」
  2. 東京23区各区が公開する住宅改修費の受領委任払いに関する案内ページ(2026年8月19日確認)
  3. 各市区町村が公開する受領委任払い取扱事業者一覧

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